2011/03/23

播種から6ヶ月後の様子

 デンドロビュームの播種から約6ヶ月経ちました。

2月23日の投稿では播種から5ヶ月経ったフラスコの様子を紹介しました。

これがその時の画像です。
一月に新しい培地へ移植後、元気に生育中であることを紹介しました。



明らかな生長を遂げています



上の画像撮影時からさらに一ヶ月たった様子をご覧ください。
播種後からは約6ヶ月経過しています。

上の画像と比べると、 大きさはさほど変わらないように見えますが、葉の枚数が増えたためでしょうか、葉が茂り、培地へ伸びてゆく根の量も増えています。









フラスコの中ではありますが、小さくてもれっきとしたデンドロビュームです。
普通の苗と同様のサイクルで生育をしています。
発芽時に展開した古い葉が白くなり、落葉しているのがわかります。



実生であるため、同じフラスコ内であっても性質はバラバラです。
小さな苗ですが、それぞれに個性が出てきたようにも見えます。



フラスコが違えば、当然交配親も違うため、全く異なる性質を持っていると言ってもよく、茎の太さ、節の間隔、葉の向きなど小さくってもその違いがわかるようになってきました。


 こちらは別のフラスコ内の様子。
 既に短く小さなバルブが完成し、新芽が出ている苗。このフラスコ内の苗はいずれも株立ちが良く見えます。小型種で早咲きの性質でしょうか。






細く、上向きに付いた葉と素直に伸びたバルブを持つ苗。葉の枚数からも良く伸びる系統であるようです。バルブの先からは、まだ新しい葉の展開が見られます。





やたらと濃い葉色のずんぐりとしたバルブをもつ苗。既に止め葉が出て玉のように丸々と太った苗になっています。


バルブは細く未熟ですが、太くしっかりとした根の生長ばかりが目立つ苗。バルブが伸びにくい性質なのでしょうか。そうであれば営利栽培には向いていません。




まだ半年ほどですので今から苗の性質云々で選抜する段階ではありませんが、開花まではまだ4年近くあり、この間に、この実生苗は花がなくとも、苗の段階で株立ちや、根張り、草姿、芽吹き、葉色、耐病性等、あらゆる場面で選抜、淘汰されていきます。
そうして、選抜を繰り返して残った苗だけが初花を咲かせることができるのです。




趣味栽培の方にとってはデンドロビュームに限らず洋ランの発芽の様子や種子からの生育の様子を見る機会は殆ど無いと思います。
このブログではそのような育種の現場もみなさまに色々とご紹介していきたいと思います。