2011/05/04

デンドロビュームの根の伸長

5月の管理に補足してデンドロビュームの根について書きます。

デンドロビュームの新芽の生育が目に見えて活発になるこの時期は、デンドロビュームの根にとっても生長がとても活発で重要な時期といえます。



この時期のデンドロビュームの根の動きを透明なビニールポットに植えた苗で見てみます。

ピンクのラベルの左端から右へ向かって伸びる太い根に注目してください。
根の先端は緑色がかった半透明の根冠があり、細胞分裂により伸び続けます。

ラベルの左端から新しい根が伸びています



下の写真は一週間後の様子です。
わずか1週間でラベルの右端へ到達しています。
ラベルの幅が2センチですから、毎日2ミリほど生長して伸びていることになります。



1週間後には右端まで到達



この勢いのある根がさらに枝分かれをしながら鉢の中の隅々に根を張り巡らせます。
ここのブログでも、何度も述べていますが、デンドロビューム栽培において根張りがもっとも重要で、いくら大きなバルブが完成しても根が弱っていたり、少なければ良い花は咲きません。



水やりの頻度が増えてくる時期ですが、注意したいのがやり過ぎによる根傷み、根腐れです。
元気で伸びている時期ですから秋口や真冬のように失敗することは少ないとはいえ、肥料の増加とともに注意したいものです。

真夏のような毎日の大量の水やりはまだ必要なく、しっかり乾いてから次の水やりに取り掛かります。

湿っている鉢に毎日のようにやり続けると鉢の中に古い水分が停滞するようになります。そこに鉢の中の肥料分が蓄積され、塩類濃度が高まると根の伸張が阻害されます。ひどい場合には根腐れを起こし株を痛める結果になります。


わかりにくい場合は、実際に鉢を抜いて確認してみることです。
根の状態を確認するにはこれが一番の方法です。





健全な根はこのように白くきれいな色をしています。大量に水やりをした後であっても、2~3日ほどでもとの白い根に戻ります。


白く美しい健全な根





いつまでたっても、茶色今まで乾く気配が無いようであれば、根痛み、根腐れを疑いましょう。
早めに気がつけば、水やりを控えることで回復させることが出来ますが、
ひどい場合は株をだめにしてしまうこともあります。

根痛みを起こしかけている状態



すでに腐ってしまった根

良い根がたくさん張れば、良い花を咲かせることが出来ます。
「デンドロビュームは根が命」です。

秋までにしっかりと根を張らせてやりましょう。