2011/05/17

デンドロビュームの肥料(油かす)

デンドロビュームの固形肥料(置き肥)のやり方について説明します。


デンドロビュームへの施肥期間は極めて短く、タイミングを逃すと、良い結果になりません。
一般家庭であれば4月から7月頃迄でそれ以降に施すと窒素過多になり、高芽の原因や窒素過多で花が咲かない原因になります。
なかでも肥効の長い固形肥料(置き肥)は 6月以降に施すと長く効きすぎてしまうので注意します。


また、固形肥料なら何でも良いわけではなく、表面がコーティングしてあり長期間効果が持続するような化学肥料はプロの生産者で無い限りお勧めできません。これらの肥料には、長く効き過ぎるものや効き方が強過ぎるものがあります。また、洋らん用と表示してあってもシンビジュームを基準に説明してあるものは、デンドロビュームにとっては強すぎるので注意が必要です。


デンドロビューム栽培で一番有効な固形肥料(置き肥)は発酵油かすです。
山本デンドロビューム園では、営利生産の場合にもこの発酵油かすの使用を薦めています。
こちらは東商の商品ですが、山本デンドロビューム園でも通常の栽培でこの発酵油かすを使用しており、安心して使える醗酵タイプの有機質肥料です。

東商の発酵油かす(粉末)

ホームセンターや園芸店では他にも多くの商品が入手できると思いますが、その際は発酵済み、発酵タイプであることを確認してから使用します。



山本デンドロビューム園での使用方法を紹介します。

ここで使用するのは粉末タイプです。必要量に合わせて水で溶いて使用します。
効き目が長いので生育期に1から2回程度で十分効果を発揮します。

水で溶くのは手間と感じますが、鉢のサイズに合わせてスプーンで量の加減ができるのと鉢の縁にしっかりと押さえつけて固定できるので大変使い勝手が良いのです。


粉末タイプがオススメです


ペースト状に水で溶きます



水に溶いて、ペースト状にしたものを株元に施肥してやります。鉢サイズに合わせて量が加減できるため便利です。
施肥量は中苗1株あたり(2.5号鉢目安)にコーヒースプーンにすり切りの2分の一から3分の1程度。株の状態、大きさによって調整します。

油かすを与える株は根痛みが無く、健全な株であることが前提です。


新芽の反対側、またはなるべく離れた場所へ入れること。



新芽の反対側へ入れると良い


 小苗、中苗、開花サイズと株の大きさにあわせて施肥量を調整できるのが良い点です。

苗のサイズ、状態に合わせて量を調整します


花を楽しんだあとの鉢に非常に効果的。灌水の度に緩やかに解けて効果を発揮します。
大きな鉢には2~3箇所に分けて入れてやるとよいでしょう。

大きい鉢には2~3箇所に入れる



スプーンの背で鉢の縁に押さえつけてやると安定します。
これで、水やりの度に肥料分が水に溶けて効果を発揮します。

表面積も広くなり、しっかりと溶けます



粒状の油かすでも構いませんが、ころころと安定しないのと、溶けにくく、注意が必要です。
粒状の油かすを使用する際は大粒を使うのではなく、小粒あるいは中粒を使用し、入数で施肥量を調整してやります。

小粒または中粒を使用します



醗酵油かす(粉末)は山本デンドロビューム園鉢物shopでご購入いただけます。
http://item.rakuten.co.jp/dendro/421016/



押さえておきたいチェックポイント
■基本的には夜間の最低気温が12から13度以上になってから肥料を与えます。

■水で溶いてペースト状にしたものを、1株あたり(2.5号鉢目安)にコーヒースプーンにすり切りの2分の一から3分の1くらい、4月か5月に1回与えるとよいでしょう。※与え過ぎは、窒素過多を引き起こしたり、根傷みの原因となります。

■約2か月間くらい肥効が続きます。6月以降に施すと遅くまで効き過ぎ、花付きを悪くする原因ともなります。

■根がよく張っている株には油粕の置肥はたいへん有効ですが、根が弱っている株や植替え直後の株に施すと根傷みの原因となりますので、鉢の中の根の状態を良く確認しましょう。