2011/07/05

萎れたバルブ

「今年の冬に凍らせてしまい、バルブが萎れています。根本はまだ生きているようですが復活の見込みはあるでしょうか。」


こんな問合せをメールでいただきました。


いただいたメールからは葉の有無や根の状態が不明なのですが、バルブ(茎)に緑色が残っているようであれば、組織は生きていると考えられます。
強烈な直射光線は植物体が傷みますので避けますが、明るい場所へ置いておけば節々から高芽が出る可能性があります。それが大きくなるまで待ってから新たに植えてやるとよいでしょう。
 
このような状況の場合は慌てずに、しばらく様子をみることをお薦めします。
 
デンドロビュームはとても丈夫な植物ですから、すぐに諦めてしまう事はありません。
下の写真は根を痛めて株が弱っている所です。バルブが萎びているのは根傷みにより、葉からの蒸散作用に根の水の吸い上げが間に合っていないからです。
 
 
 
鉢の中が良い状態でないのは見てお分かりいただけると思います。
 
 

バルブ(茎)の上部からは高芽が出ています。根が傷み株元も弱っていて本来の位置からの芽吹きが無理と判断すれば、デンドロビューム自身が高芽を出し、子孫を残そうとします。
 
 
問合せいただいた方のデンドロビュームも、もしかしたらこんな状態なのでしょうか。

 


 そもそも、デンドロビュームの増殖法の一つに挿し芽繁殖がありますが、これはデンドロビュームの性質をうまく利用したものです。


節ごとに茎を切り刻んでコンポストに挿しておくだけで、勝手に増えてしまうのです。
根を痛めると高芽が出る理由と基本は同じですね。



 

 
 





以前のブログでデンドロビュームが如何に丈夫な植物であるかも、説明していますので併せて読んでいただけると幸いです。

  デンドロビュームは丈夫な植物

 

 

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