2013/06/13

ワシントン条約

11月に中国へ向けて輸出予定のデンドロビュームのためのワシントン条約の輸出許可書が今日届きました。



ワシントン条約は絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約です。その英語表記の頭文字を略してCITES(サイテス)と呼ばれます。
野生動植物の国際取引の規制を輸出入国双方が実施することにより、その採取・捕獲を抑制して、絶滅のおそれのある野生動植物の保護しようというものです。デンドロビュームを含めてランもワシントン条約によって国際取引が規制されています。
フラスコ苗のように無菌培養による人工繁殖が明らかである場合を除いて、CITESに準じて「輸出承認証」と「ワシントン条約に基づく輸出許可書」を取得することではじめて輸出が可能になります。
書類の取得には人口繁殖であることを証明したり、栽培履歴、その商取引に至る経緯、輸出先、梱包方法に至るまで、事細かな事前の申請が必要になります。



11月の輸出にもかかわらず、ずいぶん早くから書類を用意するのだと思う方もいらっしゃるでしょう。
通常はルールにしたがって淡々と手続きが行われるため、交配種のランの苗の取引は比較的スムーズなのですが、中国への輸出では同様にはいきません。
それは現地業者の輸入許可取得の手続きにかかる時間の長さと非効率さです。
日本側の許可証が出た後にその許可証をもって中国政府に輸入の申請をするのですが、その発行におよそ5ヶ月もかかるというのです。

日本の許可証の有効期限が6ヶ月ですから、相手側の輸入許可証取得に5ヶ月もかかるとなれば、有効期限もギリギリ、いつも有効期限が切れはしないかとヒヤヒヤ、ドキドキの取引で頭を悩ませます。







半年先の生育を想定しながらの輸出の段取りは、生育状況や病害虫発生によるによる品質低下や規格サイズの揃った苗の数量の確保など出荷を終えるまでは心配事が絶えません。
中国国内の事情もあると思いますが、生き物、植物ですからもう少し改善してもらえると嬉しいですね。


さて、これらの苗が秋には立派なプラグ苗に生長するよう、しっかり育てていきます。
秋にはまた輸出の報告をしますね。